2004年11月13日(土)、
全国薬害被害者団体連絡協議会(薬被連)の主催により、薬害根絶フォーラムが開催されました。会場となった北里大学白金キャンパス(東京)には、薬害被害者・支援者が全国から多数集まり、熱気あふれる集会となりました。薬害肝炎原告団も薬被連のメンバーとしてこの集会に参加しました。名古屋からも、弁護士2名、支える会メンバー2名が会場に足を運びました。
第1部では、薬害ヤコブ、MMR、陣痛促進剤、筋短縮症、スモン、サリドマイド、イレッサの被害者が、それぞれの薬害の実態を報告しました。そして「輸血医療の薬害被害」について特別の時間枠を設けて、薬害エイズと薬害肝炎についての報告が行われました。
薬害肝炎の報告では、まず小松雅彦弁護士(薬害肝炎東京弁護団)が薬害肝炎訴訟の現状を解説し、肝炎患者全体の被害回復を目指した闘いへの支援を呼びかけました。
原告団からは、まず、東京原告18番さんが出産の際の出血によってフィブリノゲンを投与されてC型肝炎に罹患した経験をふまえて、被害者のおかれた実態を切々と説明しました。次に、東京原告8番さんが、出生直後に第IX因子製剤(クリスマシン)を投与されてC型肝炎に罹患したという事実を知った際のとまどいや治療への不安、国や製薬会社に対する怒りを、率直な語り口で訴えました。最後に、大阪原告桑田智子(くわた・さとこ)さんから、薬害のない社会の実現に向けて共にがんばりましょうと会場に呼びかけて、薬害肝炎原告団からの報告を終えました。
第2部では、「徹底討論 医薬品販売の規制緩和」と題したシンポジウムが行われ、規制改革の一環として他の商品と異なる医薬品の特性を無視した規制緩和の動きが強まっていることに対して非常に強い懸念が示され、コンビニ販売、テレビ電話による薬剤師関与、薬剤のネット販売等の現状に対する異論が相次ぎました。
集会の最後に
声明文が採択されましたが、その中に「過去の誤った血液行政の犠牲者である薬害C型肝炎感染被害者の即時完全救済を実現すべきである」ことが明記されました。
(弁・堀)