仙台では不当な判決が出ましたが、その仙台判決においても、国の薬事行政が正しかったと認定しているわけではなく、企業に対する指導が不徹底であったと指摘されています。
被告企業の資料によれば、この「不徹底」であった間に、新たに90名以上の感染者が出たことが明らかとなっています。
過去4地裁判決は、この時期について、国の法的責任をいずれも認定していますが、仙台判決だけは、「不徹底」ではあったが違法ではない、という判断をしました。いずれの判断が正しいかは自明と言えます。
この件については、メディアにおいても以下のとおり詳報されています。
厚労省は、仙台の判決で「国主張が認められた」とコメントしているそうです。もし判決を全部読んだ上でそうコメントしているのであれば、名古屋判決が厳しく指摘した「厚生行政の基本的責務に反したものとして、非難を免れることはできない」との言葉が、今の厚労省にもそのまま当てはまると言わざるを得ません。
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薬害C型肝炎:仙台判決「国指導不徹底」時期に90人感染
(毎日新聞2007年9月11日)
薬害C型肝炎訴訟の仙台地裁判決(7日)が、国の法的責任を否定しつつ「製薬会社への行政指導が不徹底だった」と指摘した時期に、少なくとも90人以上が汚染された血液製剤で肝炎に感染していたことが、被告企業の三菱ウェルファーマ(旧ミドリ十字)作成の資料から分かった。国の甘い対応が被害拡大をもたらしたことを示しており、原告側からは和解による救済を求める声が強まっている。・・・
(弁・堀)